
産業用PCの選定方法は? 民生用PCとの違いと5つの選び方
「自社の生産性を高めたい」「IoTを活用して業務効率を向上させたい」など、産業用パソコン(以下、産業用PC)の導入によって、現状の改善を図ろうとしている企業さまは多いのではないでしょうか。
しかし、いざ産業用PCを選定するとなると、選ぶ基準や選定時に確認したほうがよい特徴などが分からず、悩んでしまうこともあります。そこで本記事では、民生用PCとの違いと、産業用PCの選び方について解説します。
産業用PCと民生用PCの違い
産業用PCは、製造業や農業、医療などの産業分野で使用されるPCです。分野によって用途は異なりますが、設備の監視や検査装置、産業用ロボットなど、24時間の連続稼働が求められる環境で使用されるのが一般的です。そのため、特定の業務環境で稼働できる信頼性と耐久性が求められます。
一方、民生用PCは家庭やオフィスで使用される一般消費者向けのPCです。産業用PCと異なり、幅広い消費者ニーズに応えることを目的に設計されています。最新技術を迅速に取り入れたり、頻繁なモデルチェンジが行われたりするのが特徴です。
産業用PCの詳しい概要やメリット・デメリットについては、こちらの記事をご確認ください。
産業用PCの選び方
製造業において産業用PCを導入する際は、使用する目的や求める機能、コストなど、さまざまな側面から検討します。ここからは、産業用PCの選び方を5つの視点で紹介します。
①カスタマイズ性
1つ目はカスタマイズ性です。産業用PCは、搭載される装置に必要なCPU・メモリ・I/Oなどのスペック、筐体のサイズや形状に加えて、温度や湿度、振動、粉塵などの厳しい環境条件でも安定稼働することが重要です。そのため、特別なスペックや特殊な仕様にカスタマイズできることが求められます。
また、これまで使用してきた装置を継続して使用できるように産業用PCと連携したり、導入後に新しく機能を追加・変更したりするなど、柔軟に対応できる製品やメーカーを選ぶことが重要です。
②処理能力
2つ目は処理能力です。装置に必要なスペックを満たせない場合は、安定した稼働ができない可能性があります。
また、必要以上にスペックが高過ぎてもコストがかかり負担になってしまいます。そのため、必要なスペックに対して十分な処理能力を有する産業用PCを選ぶことが大切です。
③長期安定供給
3つ目は長期間にわたり安定供給できることです。製造業で使用する機械は長期間稼働することが前提です。産業用PCにも、同様に長期間の寿命が求められます。
民生用PCのように仕様が頻繁に変更されると、機械の性能や動作に影響を与える可能性があります。そのため、24時間連続稼働する製造現場の機械や、多くの人が利用する交通機関の機器などは同じ品質の製品が長期間安定して供給されることが求められます。
④耐環境性
4つ目は耐環境性です。民生用PCと異なり、さまざまな場所で使用される産業用PCには、耐環境性が欠かせません。
例えば、粉塵が舞う現場や高温の現場、振動、静電気の影響を受けやすい現場などで使用されることもあります。そのような過酷な環境でも連続運転し続けられる耐環境性は産業用PCを選ぶ際に重視したい特徴の一つといえます。
⑤サポート体制
5つ目はサポート体制が整っていることです。トラブルが発生した場合は、迅速な部品交換・ソフトウェアの変更だけでなく、トラブルの再発防止策も必要になります。また、関連する装置への影響についても調査・検証が求められます。
産業用PCを選ぶ際は、安定した稼働の維持だけでなく、トラブル発生時の迅速で丁寧なサポートを提供するメーカーを選ぶことが重要です。そのほかにも、不良発生時の解析体制において、自社の産業用PCを開発した技術者に直接対応してもらえるかどうかも確認することをおすすめします。
まとめ
この記事では、産業用PCの選定方法について、以下の内容を解説しました。
- 産業用PCと民生用PCの違い
- 産業用PCの選び方
産業用PCを選ぶ際は、民生用PCと異なる特徴を理解して、導入後の活用シーンや設置スペースを考慮したうえでカスタマイズ性、処理能力、長期安定供給、耐環境性、サポート体制などの面から検討して選定するのが望ましいといえます。
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また、トラブル発生時には、製品を開発した技術者によるダイレクトサポートを受けられます。導入後の不安を最小限に抑えて、安心して使用できる産業用PCをお探しの場合は、お気軽にご相談ください。