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検査装置の主な種類。半導体や基板に用いられる電気特性検査装置について

検査装置は、製品や部品の品質が、あらかじめ定めた基準を満たすか確認する設備です。自社に合う装置を選ぶには、検出したい不良を起点に、検査方式と生産ラインへの適合性を判断します。

目視検査のばらつきや人手不足への対策も、表面の傷を調べるのか、電気的な動作を確かめるのかで必要な設備は異なります。種類ごとの検査範囲を押さえたうえで、省人化の効果と運用上の負担を比較すると、メーカーに相談する条件を整理しやすくなるでしょう。

この記事の要約

  • 検査装置は、測定結果を検査基準と照らし合わせて良否を判定し、搬送や選別まで含めて設計する設備である

  • 外観・電気特性・温度試験・X線・超音波の5方式は確認できる対象が異なり、検査目的に応じて選ぶ必要がある

  • 自動化は判定のばらつきを抑え、検査工数の削減と検査データの工程改善への活用につながる

  • 一方で初期投資と立ち上げ期間、稼働後の調整・保守、検査員による再判定は残るため、導入計画に織り込む

  • 自社に合う装置は、実物での見逃しと過検出の評価、生産量に応じた自動化範囲、ラインでの処理速度、維持費を含む投資回収で判断する

  • 相談先は、類似製品の検査実績と、治具・搬送・制御を含む装置全体の設計対応力、品種変更後の支援範囲で選ぶ

目次[非表示]

  1. 1.検査装置の役割と仕組み
  2. 2.検査装置の種類
    1. 2.1.➀電気特性検査装置
    2. 2.2.②温度検査装置(低高温)
    3. 2.3.③外観検査装置
    4. 2.4.④パワー半導体検査装置
    5. 2.5.⑤X線CT装置・受託検査
  3. 3.検査装置の導入メリット
    1. 3.1.検査品質のばらつきを抑える
    2. 3.2.検査工数を減らし省人化する
    3. 3.3.検査データを工程改善に生かす
  4. 4.検査装置の相談先はどう選ぶ?
    1. 4.1.自社製品に近い検査実績を探す
    2. 4.2.装置全体の設計対応力を確かめる
    3. 4.3.品種変更後の支援範囲を確認する
  5. 5.まとめ


 

検査装置の役割と仕組み

検査装置は、表面の状態を捉えるものから、電圧や電流などを測定して内部の状態を数値化するものまで、検出の仕組みごとに種類が分かれています。代表的な外観検査では、これまで人間の目視によってキズや凹みなどを検査するケースがありました。検査装置を用いることで検査を自動化でき、判定条件を統一しやすくなるため、検査対象に合う機器を選べば品質の安定化につながります。

また、検査装置を利用して行われる品質検査は、大きく外観検査と機能検査の2つに分けられます。

 

▼品質検査の種別

種別
概要
外観検査
製品や部品に汚れ・キズ・異物の混入などがないかをテストする
機能検査
電子機器・部品や基板などが正常に動作するかをテストする

 
製品の設計段階や生産ラインの各工程で品質検査を実施して、製品の不備を発見した場合には上流工程へのフィードバックと修正を行います。 
 

検査装置の種類

検査装置では、どのような対象物を検査するかによって異常を検出する仕組みが異なります。表面の状態を検査する装置のほか、電圧や電流などを測定して内部の状態を数値化できる装置があります。
 

➀電気特性検査装置

電気特性検査装置は、半導体チップや回路基板などに電気信号を入力して検査を行う装置です。車載用のECUや各種センサ、小型モータ用のインバータ、充電ユニットなどの電子部品を検査する際に使用されます。

 

▼電気特性検査装置の主な検査項目

検査項目
概要
インピーダンス
交流回路に電流・電圧を加えて電流抵抗を測定する
絶縁性
ケーブルや回路基板に規定の直流電圧を印加し、流れる微小電流から絶縁抵抗値を求めて、絶縁が保たれているかを測定する
誘電特性
電子部品や回路基板に電流・電圧を加えて、誘電分極の度合いを測定する
耐電圧
電子部品や回路基板に直流・交流電圧を加えて、十分な絶縁耐力があるかを測定する

参考:[日本配電制御システム工業会]「絶縁抵抗試験と判定」(最終閲覧日:9月8日)
 

②温度検査装置(低高温)

温度検査装置は、低高温の環境で使用する電子機器・部品について、動作や耐久性、信頼性などを検査する装置です。温度環境による動作保証が要求される製品について、低温・高温試験を行う際に使用されます。
 

▼温度検査装置の主な検査項目

検査項目
概要
温度変動に対する信頼性
さまざまな環境でスマートフォンや車載機器などの電子機器を使用できるかを評価する
絶縁耐久性
温度の変動によって電子機器・部品の絶縁体にどのような影響があるかを評価する
金属材料の応力
アルミニウム・銅・ステンレスなどの金属材料を加熱・冷却した際の性質や強度、電気抵抗を評価する

 

③外観検査装置

外観検査装置は、製品や部品の表面にある欠陥を検査する装置です。

製品や部品の正常な状態をデータで設定して、カメラで撮影した対象物を画像処理技術またはAIによって判定します。近赤外線カメラを使用すると、内部の欠陥検査や含有物質の検査などを行うことも可能です。
 

▼外観検査装置の主な検査項目

検査対象
検査項目
電子機器・部品
表面にあるキズ・汚れ・欠け など
シート・フィルム
厚み・コーティングや色のムラ・シワ・ピンホール・ゴミの付着 など
ラベル
貼付位置・スジ・破れ・ピンホール・印字のスレ、印字のミス など

 

④パワー半導体検査装置

パワー半導体検査装置は、IGBT・IPM・SiC などの各種半導体チップやモジュールの検査・評価を行う装置です。半導体を用いて製造する自動車や通信機器、空調機器などの電子機器を検査する際に使用されます。
 

▼パワー半導体検査装置の主な検査項目

検査項目
概要
動特性(AC特性)
半導体チップに一定の電流・電圧を入力して、出力信号からスイッチング特性や短絡、アバランシェなどを評価する
静特性(DC特性)
半導体チップに電流・電圧を変化させながら入力して、出力信号から漏れ電流や降伏電圧などを評価する
熱抵抗
過渡熱試験にてヒートシンクやダイ、チップ間の組立の接合状態などを評価する
耐圧性
チップやモジュールの絶縁耐圧を評価する



 

⑤X線CT装置・受託検査

X線CT装置は、製品や基板にX線を透過させることによって内部の欠陥・構造・異物混入の有無などを検査する装置です。

製造工程における非破壊検査の一種で、工程の途中から最終検査まで幅広く用いられ、外部の専門会社が行う受託検査サービスを活用するケースもあります。
 

▼X線CT装置の主な検査項目

検査対象
検査項目
製品
内部構造・形状・寸法・異物混入 など
食品・飲料
容量・液位・異物混入 など
電子機器
基板上のクラックやショート・はんだ内部のボイド など

検査装置の導入メリット

検査の自動化は、判定のばらつきや人手による作業負担を減らす手段です。結果を記録できる仕組みを備えれば、不良の発見だけでなく工程改善にもつながります。
 

導入で目指す効果

改善につながる仕組み

検査品質の安定化

作業者の疲労や判断の個人差による影響を減らす

省人化

人が担っていた検査作業を装置へ移す

工程改善

記録した検査データを原因調査に活用する

 

検査品質のばらつきを抑える

検査装置は、設定した条件で判定を繰り返すため、作業者の疲労や経験差によるばらつきを抑えられます。目視で確認しにくい微細な欠陥も、対象に合う機器を選べば検出できます。

ただし、装置を使えばすべての不良が見つかるわけではありません。期待する効果は、検査対象と検出条件が合っていることを前提に判断します。
 

検査工数を減らし省人化する

人が行っていた検査を装置に移すことで、検査に必要な作業時間を削減できます。検査員をほかの工程へ配置するなど、人員の使い方を見直す余地も生まれます。

省人化は、検査員をゼロにすることだけを意味しません。装置で一次判定を行い、判定結果の確認を人が担う分担でも、作業負荷の軽減につながります。

生産速度に対応できる構成なら、抜き取り検査から全数検査への切り替えも検討できます。ただし、全数検査は検査する数量の範囲を示すもので、欠陥の見逃しがなくなる保証ではありません。

検査データを工程改善に生かす

検査結果を記録・管理すると、不良の発生状況を工程改善に活用できます。合否を判定して終える運用とは異なり、結果を振り返るための情報が残るからです。

不良の原因を調べ、上流工程へフィードバックすることで、製造条件の見直しにつなげます。装置の選定時には、検出性能だけでなく、必要な検査結果を保存・参照できるかも確認します。

【関連記事】


 

検査装置の相談先はどう選ぶ?

相談先は、自社に近い検査への対応力と、装置全体を実装・維持できる範囲で選びます。検査機器の販売と、生産ラインへの組み込みでは、依頼する仕事が異なります。
 

相談先を比べる観点

確認する対応範囲

類似製品の検査実績

近い対象物・欠陥への検出方法や検証対応

装置全体の設計対応力

検査機器、治具、搬送、制御の組み合わせ

品種変更後の支援

条件変更や改造、保守の担当範囲

 

自社製品に近い検査実績を探す

相談先の実績は、対象物や検出したい欠陥が自社製品に近いかで確認します。同じ外観検査装置でも、照明や画像処理の方法によって検出できる不良は異なります。

導入件数だけでは、自社の不良への適合性までは分かりません。過去の対応範囲を確認したうえで、実物の検証を依頼する流れが適しています。

装置全体の設計対応力を確かめる

検査工程を装置として導入する場合は、検査機器に加えて治具や搬送、制御まで設計できるかを確認します。機器メーカーから部品を購入し、自社で組み上げる方法とは依頼範囲が異なるためです。

自社で設置やソフトの調整まで行う体制がなければ、装置設計や立ち上げを含む相談先を選びます。萩原テクノソリューションズは、基板・電子ユニット向けの検査ベンチをカスタム製作し、協業先と連携した治具・搬送部などのソリューションにも対応しています。

品種変更後の支援範囲を確認する

導入後の支援は、故障時の保守だけでなく、製品や工程の変更への対応範囲まで確認します。製品仕様が変わると、従来の条件では欠陥を検出できなくなる場合があります。

当初の仕様に含まれない変更への対応は、依頼先によって一律ではありません。自社で変更できる設定と、メーカーによる調整・改造が必要な範囲を、導入前にすり合わせます。

まとめ

この記事では、検査装置について以下の内容を解説しました。

  • 検査装置の概要
  • 検査装置の種類

検査装置の導入判断は、不良を検出できるかと、その判定を生産工程で運用できるかを分けて進めます。実物での検証に加え、搬送や再判定、保守に残る負担まで見積もらなければ、装置の性能だけで投資の妥当性は判断できません。

次の一歩は、検査対象、不良の内容、必要な処理速度を整理し、装置の構成と検証方法を相談することです。自社で機器選定やライン設計を担いきれない場合は、それらを含めて依頼範囲を設定します。

萩原テクノソリューションズは、試作評価・耐久試験・生産ラインの品質検査に対応するカスタム検査ベンチを提供しています。基板や電子ユニットの検査に加え、グループ会社・協業メーカーとの連携により、治具や搬送部を含む生産・検査ラインの構築に対応しています。

 

▼IoTインテグレーションのイメージ

協業メーカーとのインテグレーションにより、開発から製造に至るまでに必要な検査装置の導入が可能です。新しい計測・検査技術を活用した実験や検査ベンチの導入、新商品開発などをお考えの方は、ぜひお問い合わせください。
 

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