
エッジAIとは? クラウドAIとの違いやメリットを解説
近年、さまざまな場面でAI(Artificial Intelligence:人工知能)技術が活用されています。そのようななか、近年注目されているのが“エッジAI”です。
エッジAIという言葉を耳にしたことがあるものの、「具体的に何のことか分からない」「クラウドAIと何が違うのか分からない」と疑問を持つ担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、エッジAIについて、クラウドAIとの違いやメリット、活用方法を解説します。
目次[非表示]
- 1.エッジAIとは
- 2.クラウドAIとの違い
- 3.エッジAIのメリット
- 3.1.①高速でデータを処理できる
- 3.2.②セキュリティリスクを軽減できる
- 3.3.③通信コストを節約できる
- 4.エッジAIの活用方法
- 5.まとめ
エッジAIとは
エッジAIとは、エッジコンピューティングとAIを融合させたシステムです。エッジコンピューティングは、スマートフォンやパソコン、センサーなどのいわゆるエッジデバイスの近くにサーバを配置して、データを処理する仕組みを指します。
一方のエッジAIは、エッジデバイスそのものにAIを搭載してデータを処理する仕組みです。オフライン環境でもデータの処理が可能であることから、インターネットに接続することが困難な場所でも対応できます。
エッジAIを搭載するデバイスの例として、以下が挙げられます。
- スマートフォン
- カメラ
- 産業用ロボット
- 自動車
- ドローン など
さまざまな分野におけるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及とともに、エッジAIはリアルタイムでデータ処理が可能な技術として注目されています。
クラウドAIとの違い
エッジAIと混同しやすい仕組みにクラウドAIがあります。それぞれに特徴があるため、違いを理解することで用途に合わせて使い分けることが可能です。
▼エッジAIとクラウドAIの違い
エッジAI |
クラウドAI |
|
データ処理を行う場所 |
デバイス上 |
クラウド上 |
インターネット通信 |
不要 |
必要 |
セキュリティリスク |
低い |
高い |
通信コスト |
低い |
高くなる可能性がある |
上記のうち、インターネット通信の項目については、データ処理を行う際のネットワークの有無を指しています。処理したデータをクラウドに送信する工程では、インターネットが必要です。
エッジAIのメリット
エッジAIを導入することで、クラウドAIとは異なるさまざまなメリットが期待できます。ここからは、エッジAIが注目されている理由ともいえるメリットを3つピックアップして、クラウドAIと比較しながら紹介します。
①高速でデータを処理できる
1つ目のメリットは、高速でデータを処理できることです。
クラウドAIの場合、デバイスで取得したデータをクラウドに送り、そこでAIがデータ処理を行います。そのため、データの送受信に時間を要するほか、転送速度の遅延が発生する可能性もあります。
一方、エッジAIは、デバイスで取得したデータをそのまま処理するのが特徴です。これにより、データの送受信にかかる時間を削減して、高速でデータの処理ができます。タイムラグを軽減できるため、状況を把握しながらリアルタイムなデータ処理が求められるシーンでも活躍が期待できます。
②セキュリティリスクを軽減できる
2つ目のメリットは、セキュリティリスクを軽減できることです。
クラウドAIを用いたデータ処理の場合、画像や音声など未処理のデータをインターネット上にアップロードするため、情報漏えいやデータのセキュリティリスクが懸念されます。
エッジAIの場合、デバイス上で処理した必要なデータのみをクラウドに送るため、セキュリティリスクを軽減してプライバシーを保護できます。
③通信コストを節約できる
3つ目のメリットは、通信コストを削減できることです。
クラウドAIでデータ処理を行う場合、デバイスで取得したデータをクラウドに送信する際に通信コストがかかります。送信するデータが膨大になれば、それだけ通信コストが膨らんでしまうのがネックです。
その点、エッジAIであれば必要なデータだけをクラウドに送信するため、通信コストを抑えて節約できます。
エッジAIの活用方法
エッジAIは、さまざまな分野で活用が広がっています。代表的な活用方法として、以下の例が挙げられます。
▼エッジAIの活用方法例
活用方法 |
具体例 |
音声認識 |
スマートフォンやスマートスピーカーにエッジAIを搭載して音声認識行い、デバイスを動作させる |
顔認識 |
カメラにエッジAIを搭載して顔認識を行い、性別や年齢を判断する |
モニタリング |
医療機器にエッジAIを搭載して患者のモニタリングを行い、健康状態を監視する |
また、今後は産業用ロボットの制御や自動車の自動運転など、さらに幅広い分野でエッジAIの導入が期待されています。
まとめ
この記事では、エッジAIについて、以下の内容を解説しました。
- エッジAIの概要
- クラウドAIとの違い
- エッジAIのメリット
- エッジAIの活用方法
エッジAIは、従来のクラウドAIと異なり、オフライン環境でもデータ処理できます。また、通信コストを節約しながら高速でデータ処理を行ったり、セキュリティリスクを軽減したりすることも可能です。
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なお、エッジAIの開発については、こちらも併せてご一読ください。